2011年5月10日火曜日

自分とは…。

何事もなかったかのように、日々生きることに専念する…。

仕事や制作の意味が特に変わったということも無い、
ただいつまで陶芸ができるかなー…。と、以前よりも強く思うようになった。

極端だけど、そんな気持ちの変化というのは今回の震災に限らず
「人間いつどこで何が起こるかわからない」ということを常々思っているので
今回のことで、より真剣に、よりストイックに、そしてナルシストになって(笑)
陶芸という仕事を、より楽しもうと思っている。

僕にとっての幸せな日常というのは、帰る家があることだ。
衣食住という基本がちゃんとあって
家族がいて、友人がいて、周りの人間関係が充実していることだ
それが満たされていなければ僕の仕事は成り立たない。

孤独だなんだと言ったところで、結局は一人では何も成り立たない人間だ。
ものをつくることというのは孤独な作業だと思うが
それは当たり前。ただそこから先はたくさんの人が関わっているから
そこだけはしっかりと大切にしていかなくてはいけないと思う…。

だからやっぱり、エラそうなことは言えないし
言っちゃいけない…。
ほんとに出来る人間はいつでも寡黙なものだ。

それを教えてくれたのは僕が頭の上がらない、
仕事っぷりを尊敬して止まない、何人かのお師匠さん。

「謙虚で口下手な作り手こそが本物である」ということを
そのお師匠さん達は決して”語ることなく”その生き様で、僕にいろんなことを教えてくれた。
少しずつでも良いから、僕もそこに近づきたいと思って日々仕事をしている…。

話しは脱線したけれど、
「帰る家」より大事なものはないということを
思い知りながら、何が自分にとって本当に満足できることなのかを知りながら、
また日常は続いていくし、そうやって知らぬ間に前に進んでいくのだろうと思う。